ナイキ、アディダスなど173社がトランプ氏に書簡：関税の追加徴収は「災難」

先週、米国貿易代表事務所は約3000億ドルの課税製品リストを発表し、その中のほとんどのタイプの靴製品--スニーカーからサンダルまでより高い関税が課された。

米東時間5月20日、ナイキやアディダスなどの靴大手を含む米173社が共同でトランプ米大統領への公開書簡に署名し、大統領が考えを変えることを望んでいる。同時に、この公開書簡はムヌチン財務長官、ロス商務長官、クドロー国家経済委員会主任の手に送られ、業界貿易協会のウェブサイトにも掲載される。

連名書簡はトランプ大統領が中国製の靴に関税をかけることを再考することを希望し、関税をかける影響は消費者にとっても、会社にとっても、米国経済全体にとっても「壊滅的」だと指摘した。

連名書簡は、「私たちはここで数億の靴消費者と数十万人の従業員を代表して、直ちに関税の徴収を停止し、私たちの税負担を軽減するよう求めています。年間30億ドルの関税を納めている業界として、いかなる輸入靴のコスト増加も米国の靴消費者に直接影響を与えることを保証することができ、大統領が提案した追加関税措置は実際に米国の消費者に注文を求めるもので、今はこの貿易摩擦を終わらせる時だ」と述べた。

このような追加関税停止の呼びかけは、ほとんどの業界で対応されている。以前は全米小売業者連合会、情報技術産業協会、化学委員会、大豆協会など多くの業界協会が米政府の関税税率引き上げに反対していた。ウォルフリン・グループのジェプソン・グローバル運営会長（Michael Jeppesen）は、「関税が上昇した後、増加した税収を緩衝するのに十分な利益空間がなく、消費者に転嫁する唯一の方法がある」と述べた。

米国靴業界協会、米国靴販売業者、各小売業者は、関税の増加により米国のユーザーが年間70億ドルの追加支出を行うと推定している。これらの増加した支出は、さまざまな消費者に異なる程度の影響を与えるだろう。靴業界は関税の変化に特に敏感で、米国では靴メーカーが重い関税を負担しているため、一部の長期関税は30%を超えることもある。靴業界はすでに大量生産活動をベトナムに移している--環太平洋パートナーシップ協定（TPP）を通じて輸出関税コストを削減することを期待している。しかしトランプ氏がTPP交渉から撤退したことに靴メーカーは失望している。

連名書簡の会社の中国市場への依存度はそれぞれ異なる。例えば、2018年度にナイキが中国で生産した衣料品と靴類の比率はいずれも26%に達し、Under Armourも現在18%近くの製品が中国で生産されているが、スキャッチは中国で65%近くの製品を生産している。すべての製品が米国に輸出されているわけではないが。